そろそろ日差しも和らいで参りましたが、お盆前の夏の盛りに私は万博記念公園に行って参りました。
太陽の塔でおなじみのこの地、万博が終わって熱気覚めやらぬ1972年に、万博とともに開発されてきた千里ニュータウンで生まれ、そして育ってきた私にはとても身近な場所でもあります。
そして当日。
今回のメインターゲットは太陽の塔……その内部観覧でした。約半世紀、一般には閉ざされていたその内部が再び公開されてからしばらく経ちますが、ようやく平日なら予約も取りやすくなってきたようです。いくら自分にとって身近であるとは言っても、万博後の生まれですから内部を観覧したことはありませんので、とても楽しみにその日を待ちました。
大阪モノレールからは当たり前のようにそびえる太陽の塔をいつも眺めていますが、真ん前までいくのはずいぶん久しぶりです。
……こんなにデカかったっけ?
これが塔の真下まで来て思った印象でした。そして、普段モノレールからは見ることのできない裏の顔を見上げます。「黒い太陽」と名付けられ、過去を象徴するこの顔は、良きも悪しきも飲み込んでじっと現在を見つめ続ける過去というものを確かに感じさせます。
子供の頃はただの変な塔だなんて思っていてゴメンナサイ。岡本太郎様。
さて、内部観覧の時間まで少し時間がありましたので、公園内で開催されていたひまわりフェスタにも寄ってみました。毎年この時期になると22品種、約1万本のひまわりが咲き乱れる定番のイベントなのですが、今年は天候不順で生育が遅れているとのことで、咲いているのはまだ一部でした。それでも咲いている一部だけでも充分な見応えで、特にこの日は快晴で深い青色の空とのコントラストが見事でした。
で、ついに太陽の塔の胎内へ入るときがやってきました。地下から入って上に上がりつつ観覧するスタイルです。
地下には太陽の塔第四の顔であり復刻された「地底の太陽」が、そしてそのフロアから極彩色の「生命の樹」と呼ばれるオブジェが塔の内部空間の上の方まで伸びています。(撮影は地下エリアのみ可能です。掲載の写真は撮影可能エリアで撮影したものです)
生命の進化の過程を表すこの樹は、まあ現代のセンスから言うと少々「ベタ」ではありますが、なんというかストレートに壮大で感動できるものでした。同時に観覧していた人たちからも感嘆の声が絶えませんでした。
ちなみにもうひとつ「スゲえ」と思ったのが太陽の塔の腕の部分です。巨大な腕を支える骨組みを見渡せる空洞になっているのですが、とにかくすごい空間です。万博当時はそこにエスカレーターがあって腕の先の部分から外の空中庭園に出ることができたとのこと。圧巻です。撮影不可エリアのため写真はありません。ぜひ見に行ってください。見る価値ありますぜ。
感動を胸に太陽の塔をあとにする私ですが、心は完全に万博モードです。予定外でしたが、公園敷地内にある万博記念館にも足を伸ばしました。
当時のパビリオン「鉄鋼館」を流用した建物ですので、それ自体が万博モードな私の心を盛り上げてくれますが、内部で上映される当時の映像、会場全体の模型、その他様々な展示物から、当時の日本の勢いを強く感じました。
やりたいことはすべて詰め込んでやろうという無茶な情熱と、それを可能にするだけのパワーを感じました。そのあとにもいくつかの「万博」が開催されましたが、ちょっと全くスケールが違う感じですし、その「時代」だからこそのパワーのように思いました。
そんなわけで、向日葵も含め太陽尽くしの夏の日。
堪能したとは思うものの、実は記念公園のほんの一部しか回れませんでした。とにかく広い。またいこうと思います。
それではまた。