御朱印男子

突然ですが、ワタシは寺社巡りをするのが以前から好きだったりします。

「巡り」と言っても、今まではふと思いついたときに思いついたところに参拝するといった具合で、どうしても知っている場所やおなじみの場所が多くなってしまいます。

もう少しちゃんと「巡って」みたいなぁとは以前から思っていたところ、早朝ドライブの道中でたまたま見つけて参拝したのが「花山院菩提寺」さん、兵庫は三田市の山寺です。

いくつかのお堂で構成されたそれほど大きな規模ではない山寺ですが、よく手入れされた庭やお堂、そして苔むすまま時の流れを感じさせるお地蔵さんや石塔などが相まって、とても神聖で清澄な空気を感じさせてくれるお寺さんです。

花山法皇の菩提寺ということで、境内には御廟所もありますが、この花山法皇という方は「西国三十三所」と呼ばれる観音巡礼の中興の祖だとのこと。この参拝の時に初めて知りました。

花山法皇御廟所

ちなみに西国三十三所観音巡礼とは、日本最古の巡礼だと言われており、四国八十八ヶ所のいわゆるお遍路さんと並んで最も有名な巡礼のひとつです。

この時は「へぇ、そうなんだぁ」程度。興味はわいたものの、実際に自分が巡礼をはじめるには、なんとなーく敷居が高いと感じてしまい、この時はこれっきり。

で、ここまでは昨年7月のお話です。


そして現在、なぜか西国三十三所巡礼を始めております。

直接的なきっかけは、最近会社のすぐ近所にある頂法寺六角堂(華道池坊の本拠地として有名ですね)に参拝したときに、そこが三十三所のひとつだと知ったことです。

改めて興味を持ったワタシは、色々調べてみました。

その結果、三十三のお寺はクルマを使えば無理なく訪問できる程度ながら、イイ感じにあちこちに散らばっていることがわかりました。

なんとなく地図を作ってみました。なんだかやりがいありそうな散らばり具合でしょ?(左上のでインデックスが表示されます)

そして、調べるうちに三十三カ所の札所(ふだしょ)以外に「番外札所」と呼ばれるお寺もいくつかあることがわかりました。その番外札所のひとつとして挙げられていたのが、昨年伺った花山院菩提寺だったのです。三十三所巡礼を復興させ、世に広めた花山法皇が長く隠棲したこのお寺ですからナットクです。昨年の花山院での参拝で興味を持ち、六角堂であらためて興味を感じ……こりゃもうご縁ですよね! ということで、思い切って巡礼を始めることにしたというわけです。

現在、まだ片手で数える程度のお寺しか参拝できていませんが、今までの行き当たりばったりのお参りに比べると格段に充実感があります。なぜか?

ちゃんと前もって由来や見どころなどを調べるようになったというのがまずは一番ですが、やはり「御朱印集め」ですね。御朱印女子なる言葉もあるくらい流行っているだけのことはあります。楽しいです。

元々は納経(写経を納める)の証としてあったものですが、まあ今はおおよそ参拝記念的な扱いになっている感じです。でもそれでもあくまでも参拝の証であり、スタンプラリーではないことには留意する必要があります。

ワタシも今はまだ「きちんと拝む(↓)」程度のことしかできませんが、目の前で書き上げてくださる御朱印を堂々と拝受できる程度にはきちんと参拝したいものです。ですから少しずつ観音経の勉強も進めたりもしています。覚えられる気がしませんが。

でも、いずれ会社近所の六角堂で、スーツ姿で念仏を唱えるワタシの姿がみられる日が来るかもしれません。(巡拝は何度行ってもOK!)

とまあ、そんな最近ですが、このゴールデンウィークには良い出逢いを下さったお礼もかねて、改めて花山院菩提寺にお参りさせていただきました。

昨年は御守りをひとつ買っただけでしたが、今回はもちろん納経帳(御朱印帳)持参です。番外札所ではありますが、公式の納経帳にもちゃんと掲載されています。

一年程度ではまったく変わらない、その独特な空気感を懐かしみつつ、無事に御朱印をいただくことができました。

西国十八番頂法寺六角堂御朱印

三十三所の巡礼を満願するのがいつになるかはわかりませんが、いつかまた報告できればステキですね。

ちなみに範囲が広すぎると思う人向けに、京都市街地のお寺のみで構成された「洛陽三十三所」なる観音巡礼もありますよ。興味があれば始めてみてはいかがですか?

それではまた。

Shunta Nagata