師走の南座と……

暮れも押し迫って参りました。

少し冬らしくなってきたと思いきや、今日はまた暖かな昼下がり。寒いのが好きなわけではありませんがしっかり冷えてこないと農業にも悪影響などがあるようで。

せっかくの四季ですからその季節らしい気候になってくれるのが良いのかもしれませんね。

少し前、夕暮れ時の南座前。

吉例顔見世興行のまねきと煌びやかな照明が相まってとても豪奢な雰囲気です。クリスマス一色な街の雰囲気も素晴らしいものですが、こういう和の豪華絢爛さもなかなかですね。

この写真は四条通の北側から撮影したものですが……南座……南座……ん? 北は?

ふと思い立ち振り返り、見上げてみると四条通から少し北側に入ったところにたたずむビルにはその文字が。

「北座」

わずかな暗い照明で照らされたそのビルは、南座と対照的。

でもこれ、南座と同じような演芸場ではありません。かつては北座という演芸場もあったそうですが、今はなく。このビルは京都の誇る老舗、井筒八ツ橋祇園本社が入った北座ビルと呼ばれる建物です。ですから煌びやかでないのはある意味当然。

それでもこの「北座」の文字は、南座と同じく栄えていたのであろうかつての北座を思い起こさせ、ほんの少し寂しさを感じさせたのでした。

 

豆情報&豆知識

とっても歌舞伎な雰囲気の南座ですが、年明けは元旦から松竹新喜劇!
ちなみに南座も松竹新喜劇も「松竹」に属しますが、多くの芸人さんや落語家さんが所属する吉本じゃない方は「松竹芸能」で松竹傘下の別会社とのこと。

松竹芸能は寄席の確保など色々苦労されているんだから南座でやればいいじゃない、なんて伝統と格式を重んじる方々から叱られそうなことを気軽に考えておりましたが、別の会社だったのね……。知りませんでした。